構図の悩み
前回の江ノ電の記事で、fine88さんから構図に関するコメントをいただきましたので、普段悩んでいることなどを書いてみたいと思います。
構図というのは、まだ私が知らないことも含めていろいろなパターンがあると思います。全体を広くとらえ、スケール感を出すとか、パーツに迫ってディテールや質感を見せるとか。
ここでは、見る人の視線をどのように誘導するかについての試行錯誤をご紹介します。
そもそも「視線の誘導」というのを知ったのは1年半前のEOS学園の講座でした。まっすぐ伸びる線路を横切る道路の3か所に人がそれぞれいて、それに対して見ている人の視線がこう動くね、という解説をしていただきました。視線の誘導という意味ではナイキのマークはよくできている、という話も印象的でした。
それ以来なるべく考えて撮るようにしているのですが、なかなか難しいのです、これが。
さて、いくつか事例をご紹介しましょう。
まずはこれです。全然考えずに撮りました。広角を使って放射状にした構図になっています。江ノ電を見せつつ、背景の夕暮れ空に浮かぶ江の島をみせることができればと思いました。(後付けの理由です。(大汗))
これはこんな感じになると思います。
●が始点、○が終点を示しています。
視線の誘導という意味では最も簡単な撮り方かもしれません。鉄道スナップを撮っていると線路や架線が誘導線の役割をします。ま、単純ですがこれはこれでよいのではないでしょうか。
次はこれです。
先ほどの放射状の構図と原理は同じです。ただこれは標準レンズを使っています。
線を引いてみるとこうなります。
これは意識して撮りました。自転車をぼかして最後に見せるというのはすぐに決まったのですが、始点が弱かったです。なので、いきなり自転車に目が行ってしまいます。手前にコ×コーラの缶でも置けばよかったかもしれません。
次は広角を使ったのですが、放射状とはちょっと違います。
全く意識せずにただの思いつきで撮りました。
左の木から視線が移動して、行く先に電車のパンタグラフがあるという、構図です。
全くの偶然で、後で眺めてみて気づきました。意識して撮れるようになりたいものです。
続いてはボケを使った例です。
これも個人的には多用しています。どちらかというと、最後に見せたいものをボケに使うというパターンが多いです。前ボケよりは後ボケの方が好みです。
この構図も放射状と同じくらいあまり考えずに撮れるのでお手軽ですが、使い方を間違うと何を見せたいのかぼやけてしまいがちです。日々失敗作を量産しています。(涙)
ボケを利用した変形バージョンです。
視線が行って帰ってくるパターンです。
この場合は、上履きのインパクトが強すぎて、意図する通りに視線が動かなかったと反省しています。
途中で見せたい床に当たる光に目が行かず、上履きから直接青空に行ってしまいます。基本的にこのV字構図には無理があるのでしょう。
さて、前回記事の3点についてはどうでしょうか?
これは意図して撮りました。fine88さんがその意を汲んでくれたのでとてもうれしかったです。もうひとつ付け加えるなら、ボートの列の手前の頭部分をあえて切ってみました。こうすることで主題を電車にしようという意図があったのです。伝わらなくてもよい部分ではあるのですが、効果があったかどうかは?ですけど。
2点目は意図せずにとりました。
これは、線路を入れることにより自動的に視線を誘導する効果が加わってしまいました。
実は撮影時は、背後から走り込んでくる電車を置きピンで写しとめることに精一杯で、視線の誘導まで頭がまわりませんでした。(汗)
3点目が問題です。
散々考えて撮りました。実は、最上部にほんの少しだけ水平線があったのですが、構図をシンプルにするために切りました。
撮影時は電車を予定通りの位置に止めることに集中したかったので、後でトリミングすることに決めて撮影しました。本当はこのように視線を誘導したかったのですが、これは失敗でした。
一番小さな被写体である画面中央のサーファーが思いのほかインパクトが強くて、視線が分散してしまいました。
結果論からすると最上部の水平線を残して始点とし、下に向けて誘導することにした方がよかったと思っています。でも、シンプルにしたいし。。。難しいです。
そもそも、架線が邪魔だ、というご指摘はごもっともです。(苦笑)
と、ここまで一気に書いて思ったのは、図解して屁理屈をこねるのは元技術系社員の悲しい性だなということです。こんなことをいちいち考えなくても感性でいいものがとれるぜ!というのが理想ですね。
異論、ご指摘、ご指導、大歓迎です。どしどしご意見お寄せください。おまちしております。
構図というのは、まだ私が知らないことも含めていろいろなパターンがあると思います。全体を広くとらえ、スケール感を出すとか、パーツに迫ってディテールや質感を見せるとか。
ここでは、見る人の視線をどのように誘導するかについての試行錯誤をご紹介します。
そもそも「視線の誘導」というのを知ったのは1年半前のEOS学園の講座でした。まっすぐ伸びる線路を横切る道路の3か所に人がそれぞれいて、それに対して見ている人の視線がこう動くね、という解説をしていただきました。視線の誘導という意味ではナイキのマークはよくできている、という話も印象的でした。
それ以来なるべく考えて撮るようにしているのですが、なかなか難しいのです、これが。
さて、いくつか事例をご紹介しましょう。
まずはこれです。全然考えずに撮りました。広角を使って放射状にした構図になっています。江ノ電を見せつつ、背景の夕暮れ空に浮かぶ江の島をみせることができればと思いました。(後付けの理由です。(大汗))
これはこんな感じになると思います。
●が始点、○が終点を示しています。
視線の誘導という意味では最も簡単な撮り方かもしれません。鉄道スナップを撮っていると線路や架線が誘導線の役割をします。ま、単純ですがこれはこれでよいのではないでしょうか。
次はこれです。
先ほどの放射状の構図と原理は同じです。ただこれは標準レンズを使っています。
線を引いてみるとこうなります。
これは意識して撮りました。自転車をぼかして最後に見せるというのはすぐに決まったのですが、始点が弱かったです。なので、いきなり自転車に目が行ってしまいます。手前にコ×コーラの缶でも置けばよかったかもしれません。
次は広角を使ったのですが、放射状とはちょっと違います。
全く意識せずにただの思いつきで撮りました。
左の木から視線が移動して、行く先に電車のパンタグラフがあるという、構図です。
全くの偶然で、後で眺めてみて気づきました。意識して撮れるようになりたいものです。
続いてはボケを使った例です。
これも個人的には多用しています。どちらかというと、最後に見せたいものをボケに使うというパターンが多いです。前ボケよりは後ボケの方が好みです。
この構図も放射状と同じくらいあまり考えずに撮れるのでお手軽ですが、使い方を間違うと何を見せたいのかぼやけてしまいがちです。日々失敗作を量産しています。(涙)
ボケを利用した変形バージョンです。
視線が行って帰ってくるパターンです。
この場合は、上履きのインパクトが強すぎて、意図する通りに視線が動かなかったと反省しています。
途中で見せたい床に当たる光に目が行かず、上履きから直接青空に行ってしまいます。基本的にこのV字構図には無理があるのでしょう。
さて、前回記事の3点についてはどうでしょうか?
これは意図して撮りました。fine88さんがその意を汲んでくれたのでとてもうれしかったです。もうひとつ付け加えるなら、ボートの列の手前の頭部分をあえて切ってみました。こうすることで主題を電車にしようという意図があったのです。伝わらなくてもよい部分ではあるのですが、効果があったかどうかは?ですけど。
2点目は意図せずにとりました。
これは、線路を入れることにより自動的に視線を誘導する効果が加わってしまいました。
実は撮影時は、背後から走り込んでくる電車を置きピンで写しとめることに精一杯で、視線の誘導まで頭がまわりませんでした。(汗)
3点目が問題です。
散々考えて撮りました。実は、最上部にほんの少しだけ水平線があったのですが、構図をシンプルにするために切りました。
撮影時は電車を予定通りの位置に止めることに集中したかったので、後でトリミングすることに決めて撮影しました。本当はこのように視線を誘導したかったのですが、これは失敗でした。
一番小さな被写体である画面中央のサーファーが思いのほかインパクトが強くて、視線が分散してしまいました。
結果論からすると最上部の水平線を残して始点とし、下に向けて誘導することにした方がよかったと思っています。でも、シンプルにしたいし。。。難しいです。
そもそも、架線が邪魔だ、というご指摘はごもっともです。(苦笑)
と、ここまで一気に書いて思ったのは、図解して屁理屈をこねるのは元技術系社員の悲しい性だなということです。こんなことをいちいち考えなくても感性でいいものがとれるぜ!というのが理想ですね。
異論、ご指摘、ご指導、大歓迎です。どしどしご意見お寄せください。おまちしております。
by 1969lost_found
| 2010-07-21 23:18
| 撮影方法