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40歳のLOST&FOUND

EOS7Dを使い倒す~ 広田泉先生のプレミアム撮影講座~(3)

全3回シリーズの最終回です。
EOS7Dのインプレッションという義務は前回の記事で果たしたので、今回は自分のために学んだことを記録しておきます。
本来であれば有料の講座の内容ですが、講義の内容をすべて書けるわけじゃないので、もったいぶらずに書くことにします。
動体撮影にくわしい人にとっては当たり前の内容なので読み飛ばしてください。
(広田泉先生に習ったことに自分なりの解釈を加えています。)

最近、自分が撮る写真がクリアじゃない、精細じゃない、という不満を抱えていました。(色とか、構図とか、他にもいろいろあるんですがね)
それに対して、ある方向性を見出すことができた講座でした。

受講前の自分の中の常識

   (1)動きものは高速シャッターで連写を数打てば当たるはず
   (2)ズームより単焦点の方が画質性能が良いのでクリアに撮れるに決まっている

まずは、連写について。

今回の題材である電車については、仮に100km/Hで走行しているとすると、

   100km/H = 100000/3600 = 28m/S

1秒間に約28m動くことになります。一方で、連射速度を秒間8コマとすると、

   28/8 = 3.5m/コマ

動くことになります。つまり、秒間8コマで連写しても、最大3.5mずれる可能性があるわけです。なるほど、そりゃそうですね。
写真家たちの日本紀行:小海線編で広田泉先生が言っていた「一発にかなうものはない」を数値で検証するとこういうことですね。

で、どうやって一発で決めるのか。。。動態視力を鍛えるのか?。。。まあ、それでもいいですけど、もう少し簡単な方法があります。
ファインダーの中で動きが止まればいいわけです。もしそうなればいつシャッターを押しても、好きな構図で写しとめることができるはず。

実は、流し撮りとかズーミングというのは、このための手法でもあるわけですね。重大な任務です。もちろん動感表現の手法でもあるわけですが。
この点、大きく認識が欠落していました。

EOS7Dを使い倒す~ 広田泉先生のプレミアム撮影講座~(3)_a0132635_214568.jpg

EOS7Dを使い倒す~ 広田泉先生のプレミアム撮影講座~(3)_a0132635_2151346.jpg


で、この写真です。鉄分の低い人がみたら(私も低いですが)、普通の編成写真ですが、これ、私の今回の講座の成果です。注目していただきたいのが、車両前面右下の「三相」「高圧」と書かれた部分です。これ、適当に撮ると写りません。ブレます。ズーミングで動きを止めて撮影しました。まさか、自分が写しとめることができると思っていなかったので、かなり感動です。

つまり、ズームには動くものを止めるという大きな役割もあり、単焦点には決して成しえない機能です。つまり、ズームでなければ撮れない画があるといってよいでしょう。
ズームより単焦点の方がクリアに撮れるに決まってる、と思いますよね、普通。

次に、高速シャッターについて。
同様に、100km/H = 28m/Sで走行しているとして、1/1000だとシャッター幕が開いている間に、

   28*100/1000 = 2.8cm

動くわけです。これを大きいと見るか小さいとみるかですね。

EOS7Dを使い倒す~ 広田泉先生のプレミアム撮影講座~(3)_a0132635_2154597.jpg


この写真は1/160で流し撮りしました。水平が出てない!ってツッコミは無しでお願いします。他の受講生の方たちに比べ精度は全然低いですが、まあ、なんとか車体に書いてある文字が読めます。2.8cmずれるとこの文字もかなりぶれるでしょう。読み取れないかもしれません。1/1000でまともに撮ったらぶれるけど、1/160でしっかり同調させればぶれないということですね。

他の例で考えてみると、例えば公園で遊んだり、運動会で徒競争をする子供。(ん?今は徒競争って言わない?)
走る速度を仮に、8km/Hとすると、

   8km/H = 8*1000*100/3600=222cm/S

シャッタースピード 1/500だと、

    222/500 = 0.44cm = 4.4mm

これだと、瞳は完全にブレますね。生き生きとした写真にはならないでしょう。
ちなみに、1/4000だと、

    222/4000 = 0.06cm = 0.6mm

これならブレがめだたないかもしれないです。

先生曰く、「ピンボケだと思っているものの多くは被写体ぶれであることが多い。たとえ1000分の1秒でもぶれる。」とのこと。納得です。ブレがわずかなのでピンボケと勘違してしまっていたのでしょう、今までは。つまり、カメラやレンズのせいにして買い替えてもだめってことです。(えっ、じゃあ今までの投資は。。。!)

ピントはAF、手ぶれはISの力を借りることができます。でも、被写体ブレは。。。ブレ低減装置なんてありません。撮影者が工夫するしかないんですね。


いろいろ書きましたが、機械をマニュアルで設定して厄介さを楽しむといいうのもありだし、機械に任せるところはまかせ、集中するところを絞り込むのもありだと思います。技術の進歩で楽しみ方の幅が広がったのは喜ぶべきことですね。

            ・・・EOS7Dを使い倒す~広田泉先生のプレミアム撮影講座~(完)・・・
by 1969lost_found | 2009-11-08 02:17 | 講座