40歳のLOST&FOUND

RAW現像とカラーマッチングに関するセミナー(2)

つづきです。

第2部 EIZO EasyPIX Ver2.0を活用したカラーマッチング

まずはカラーマッチングに必要な基礎から教えていただきました。
最も基本的かつ重要な条件、それは環境光、つまりプリントを見る部屋の照明です。どれだけモニターで色を追い込んでも、精度の高いプリンターを使用しても、プリントを鑑賞する照明が適切なものでなければ正しい色に見えません。色評価用蛍光灯を使用するのが望ましいのですが、3波長昼白色蛍光灯でも代用できるとのこと、なるべく演色指数が100(=太陽光)に近いものを選びましょう。私が使用しているのは、部屋の天井は昼白色蛍光灯(演色指数不明)で、プリント鑑賞用には卓上電気スタンドに3波長昼白色蛍光灯(演色指数=84)を取り付けて使用しているので、とりあえずこれで良しとします。

次に、カラーマッチングに適したモニターについてですが、諧調表現、画面均一性、色再現域がキーとなります。要は良いモニターを使いなさいということなのですが。
私が使っているモニターでは、一部の色域でトーンジャンプがあり、画面を斜めから見ると薄いピンクに色かぶりすることは認識していました。(視野角特性が低い) また、色再現域については、一応AdobeRGBカバー率92%(だったかな?)を使っています。色再現域の違い、つまり、sRGBかAdobeRGBかについてはあまり違いがないと思いがちですが、けっこう差が出ます。以前の記事でアップした「はやぶさ」の緑、「都電新型」の紫は、AdobeRGB域のようで、対応していないWEBブラウザーで見ると違った色に見えます。
視野角特性については、IPSかVAパネルがやはりいいそうです。現在の私のモニターはTNパネルなので、斜めから見ると色合いと明るさの変化が大きいということになります。

次にモニター-PCのOS-SILKYPIX-プリンターのマッチングです。このあたりの話はiccプロファイルをきっちり設定し、プリンタードライバー補正off & SILKYPIXにて「カラーマネジメントをおこなう」に設定しておけばよいので、それほど難しい話ではありません。

そしていよいよモニターのキャリブレーションについてですが、モニターとしてFlexScan SX2462W-HXを、キャリブレーターとして最新版のEIZO EasyPIX Ver2.0を使用しての実演です。モニターがColorEdgeではないところがポイントです。やっぱり高いですからね。最低でも10万以上します。サラリーマンには手が出にくいです。
キャリブレーターの本体は市販品と同じですが、EIZO®製品専用に作られたシステムのようです。
手順としては、正しい照明の下でまずプリント用紙の白色点をキャリブレーターで測定します。その後、目視でズレを微修正します。続いてモニター表面にキャリブレーターを取り付けてキャリブレーションします。操作はいたって簡単。モニター本体の設定をいじる必要もありません。一度見ればすぐできそうです。そしてその場ですぐ顔料プリントして、モニターとプリントの比較を行いました。。。スゴイです。完璧!まったく同じように見えます。あんなに簡単な操作で?今までのワタシの苦労は?。。。冷静な顔を装いつつ、そのすごさにかなり動揺しました。(笑)
個人的なこれまでの経験ですが、モニターとキャリブレーターをそれぞれ個別に購入して使うので、相性というのもあるように感じていました。ちなみに、現在使用しているM社のモニターは、Spyder3とは全く相性が合わず、i1display2を使ってようやくそれらしくなりました。
ところが今回のEIZO EasyPIXはEIZOモニター専用にスペシャライズされたシステムです。相性は当然完璧です。しかも、簡易的とはいえ、プリント用紙の白色点を測って取り込んでいること、モニター本体の設定を一切いじる必要がないことが特筆すべき点です。もっと早く出会っていれば。。。

その他、学んだこととして、今までずっと疑問に思ってきた現像ソフトでのマッチング設定である、「知覚的」と「相対的」の違いについての質問に答えていただき、とてもすっきりしました。両者の違いは以下の通りです。

そもそも、モニターはRGBの加法混色で色を作っているが、プリンターはCMYKの減法混色で色を作っている。RGB色域よりもCMYK色域の方が狭い。したがって、CMYKで表現できない色を変換する必要があるが、その手法として「知覚的」と「相対的」がある。「知覚的」は、諧調や色域の連続性を重視した変換方法で、メーカーにより差が出やすい。一方「相対的」は、色域の中央部は変えずに、周辺部を内側へ補正する方法であり、メーカーによる差が少ない。

最後に、自分たちが持ってきたrawファイルを実際に現像してプリントしてみる演習です。自家プリントも持参して比較の対象にしました。幸い、プリントの比較については、ほとんど差がなく、紙質の違いによるわずかな差異だけでした。

まとめ
・プリントを鑑賞する環境、特に照明に気を使おう。
・モニターは高品質なもの(写真向きのもの)を使おう。
・専用に作られたキャリブレーションシステムの効果は絶大、しかも手間いらず。

。。。で、気がついたら大きな箱が!

えっ?

次回「おまけ編」につづく。
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by 1969lost_found | 2011-03-09 22:40 | 画像処理 | Comments(8)
Commented by A.Yuasa at 2011-03-10 08:19 x
私の処はそのEIZOのFlexScanSX2262WとEIZOEazyーPIXの組み合わせで使っています。まだ、今の処通常の画面表示用と写真観賞用の設定しか使っていませんが(笑)
問題点は第1に環境光の問題でしょうね。当方では時間帯で蛍光灯だけだったり、太陽光が間接的に当たる時間があったりだし、蛍光灯自体も通常の家庭用ですのでまあ正しい光環境とは言い難い(笑)処です。
2番目は最終的な調整部分で自分の目で見比べる点でしょうか。環境光の影響も在るでしょうし、特に写真用の用紙がこうも種類が多いとその都度調整・・・。一種類で統一すればいいのでしょうが、今度は用紙代が・・・
何か難しく先が遠い処ですね。
Commented by Yakitorimitbier at 2011-03-10 12:22 x
すばらしい!学んだ事を惜しげもなくブログにアップするなんて,(面倒くさいし)なかなかできることではありません.
というわけで,ありがたく読ませて頂きました.僕たちの参加した一般向け講習会と概ね同じ内容のようですね.しかし,特にsilkypixについて鉄道写真ならではの情報がいくつかあって,やっぱりこっちのほうがいいなあ.こんど詳しく教えてくださいね.
講習会後,我が家で宝の持ち腐れ状態だったSX2462とeasypixが大活躍です.時間と紙が大いに節約できています.ペンタブレットは未だお飾り状態ですが.
文面から察するにLandFさんもお買いあげの様子・・・いっしょに使い倒しましょう!
ところで,部屋の照明をしっかりやるのが大切なのはよくわかりましたが,写真を展示する場所が5000Kでなければ余り意味がないような・・・どうなんでしょうね.とりあえず我が家も色評価用蛍光灯とスタンドを買う予定です.
Commented by fine88 at 2011-03-10 12:39
すごく参考になりました^^
しかし既にモニターは買われたようで・・・(笑)
僕も今のノートPCを買う前に、PCを自作してEIZOのモニターを買おうかかなり悩みました^^;
モニター沼はEIZOの評判のいいやつを買っておけばハマる必要がないと聞いていたので^^;
でも結局自分がそこまで写真に拘るのか?(仕事場ののPCというのも理由としては大きいですが)という理由で普通のノートPCを買いました。
もちろん角度によって色や白みが変化してすごく見づらいですが、ここは妥協するしかないな~と感じています^^;
でも今回の記事のようにプリントまで含めるとやはり良いディスプレイっていうのは魅力的ですねぇ・・・。

話は変わりますが、鉄道写真と言えばキヤノンプレミアムアーカイブス写真家たちの日本紀行で北海道で持田さんという鉄道写真家の放送を見ましたが、めちゃくちゃ感動しました。
写真を始めたころ色んな風景に感動していた自分が重なって、今は感性も乏しく情けないことになってるなぁと凹みました^^;
Commented by fuukapapa at 2011-03-10 15:49
読ませて頂きましたが、ワタシの写真を囲む環境は劣悪だと認識しました。。。

大きな箱。。買いましたね^^
Commented by 1969lost_found at 2011-03-10 21:29
A.Yuasaさん
そうだったんですね!
色々な表示モードを簡単に切り替えられて便利ですよね。
とりあえず、WEBで写真ブログを閲覧するときにはsRGBにしています。
確かに用紙を変えるたびにキャリブレーションが必要ですが、それでも、私が今まで使っていたキャリブレーターよりもずっと簡単で正確にできます。
おかげで楽しくてここ数日プリントしまくってます。ああっ、紙とインクが~!
Commented by 1969lost_found at 2011-03-10 21:33
Yakitorimitbierさん
学んだことは皆で共有するってことで。(笑)
この手の記事は、けっこうササッと書いちゃいます。だいたい20分くらいかな。
Yakitorimitbierさんは紙と時間が節約できているようですが、ワタシは逆です。楽しくてプリントしまくってます。あはは。
写真の展示場所の照明の件は、おっしゃるとおりですね。なので、プロの方はライティングとかもこだわってしっかり指定するようです。
我々レベルでは、会場をなるべく選ぶことと、可能なら下見してその照明になるべく合わせることくらいでしょうか。。。ってそんなことできるのか?
Commented by 1969lost_found at 2011-03-10 21:43
fine88さん
結局、汎用品のモニターと、キャリブレーターを合わせた金額より安く済みました。今までの投資はなんだったんだ!(涙) 小遣いためておいてよかった! これまでのつらい経験から言えば、専用キャリブレーションシステム付きでこの価格は破格です!
持田さんの番組、見ました。感じることの大切さと楽しむことの素晴らしさが伝わってくる番組でしたね。次回も楽しみです。
"enjoy!" 当たり前すぎて最近忘れかけていたかもしれません。
Commented by 1969lost_found at 2011-03-10 21:47
fuukapapaさん
ウチは、「こらっ!汚い手でさわるんじゃないっ!あっち行ってろ!」と、父ちゃんが叫びまくっている、そういう意味で劣悪な環境と毎日闘ってますです。(笑)
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